住む家は、賃貸が得か?買った方が得か?に決着!
低金利時代を迎えて久しく、住宅メーカー、工務店などが、”毎月の家賃で家が買える”とか、”家賃は捨てているようなもの”など、賃貸に住んでいる人のみならず、ひっきりなしにチラシが投函されたり、新聞折込チラシを見かけます。
果たして、賃貸は損なのか・・・?買った方が得なのか・・・?中立的な立場でその疑問にお答えします!
■歴史をまず知る
この国は、戦後の経済復興を第一義的に優先し、住宅政策も世帯数に対しそもそも住宅が少ない背景からイケイケどんどんで、持ち家ありきの補助政策が採られてきた。これは今も変わっていない。自動車産業と同じように、住宅産業も政策でテコ入れする方が経済の活性化に広く直結することが所以でした。また、国民も高度経済成長と共に右肩上がりの時代では、「持ち家を持って一人前」と両方の親から頭ごなしな”持ち家神話”が根付いてきました。そして今でもそのような風潮は残っています。
しかし、経済が低迷し、昔のような経済成長が見込めない時代では、いくらカンフル剤のような旧態依然とした補助政策を打ち出しても、いっこうに持ち直すどころか、益々可処分所得が減り所得格差も産まれて来ている。このように将来的展望が見込めない時代では、いくら持ち家が欲しくても住宅ローンという大きなリスクは背負えなくなるのは当然です!
住宅政策の中で最も目を引くものが、”住宅ローン減税”なるものですが、皆さんがよく勘違いされる部分でもあります。それは、「誰でもが住宅ローンを組めば年末残高の1%が戻ってくる」と、ウハウハな勘違いをしていることです。あなたの給料から源泉徴収されている所得税が限度となること。敢えて言うなら、扶養家族が沢山いて、結果年間所得税を1円も払っていない方には、そんな夢のマイホームローンを組んだところで、ビタ1文還ってくる訳ではないのです!貰えるという感覚でいるなら尚更とんでもないこと!
■本当にあなたのものになる?
「家賃を払い続けるだけでは、ドブに捨てているようなもの。」、「家賃と引き換えに家があなたのものになる。」とよく見聞きしますが、果たしてそうでしょうか!?確かに、建てて登記すれば、晴れてあなたの所有物に間違いはありません。しかし、よ~く考えてみて下さい。そう!賢いあなたなら気付く筈です。抵当権!住宅ローンで買った場合(殆んどはこのケース)は、自分のものであって、実は自分のものではない!銀行からローン返済期間まで、家賃を払って借りているようなものなのです。しかも、リストラなどでローンが返せなくなると、抵当権行使による競売が待ち受けています。そうなっても誰も助けてはくれず、結局手元には返済しきれない大きな残債だけが残ってしまうだけです。
もう一つは、高額な固定資産税や老朽設備の修繕費用(特に外壁・屋根・水周り設備)の出費、特にマンションでは、いつ値上げになるかも分からない管理費や修繕積立金が隠れています。そういった部分は前面には出さないで、さも簡単に自分の財産になることだけが前面に強調されて、結局知識のない方はついつい「金利も低いし、そうだな・・・」なんて安易に乗ってしまい、どうしようもならなくなって競売に出るケースが非常に多いのです。
ハウスメーカーや建築業者は建ててしまえば、後はあなたがどうなろうが責任はありません。不動産業者が中古物件として売り出しまた儲けるだけです!補足として、消費税増税も持ち家志向の転機となるでしょうが、消費税3%の増加は物件(土地建物)価格の約1%程度に過ぎません。物件の吟味次第では軽く吹っ飛んでしまいます。なのに慌てて買う方が、物件を見る眼も育たないまま、取り返しのつかない色々なリスクを抱えてしまうことになってしまうのです。
賃貸のメリットは、家族のライフスタイルに応じて好きな時に、適切な物件に移り住むことができます。
しかし、持ち家ではそう簡単に売り買いすることはできませんね。また、設備的な不具合があっても、大家さんの修繕負担となり、持ち家のように生活設計に響くような大きな出費がありません。持ち家のメリットは、そうありません。強いて言えば、所有物(擬似ですが・・・)という自己満足感でしょうか・・・
新築気分は味わえます(これは賃貸でも)が、車と同じで登記したとたんに価値は激減し以後年々と下がり、固定資産税を払い続ける為、何十年もの間楽して銀行を儲けさせる為だけのような気がしてなりません。
家を考える前に何点か提案をすれば、建売り物件は敬遠しましょう!業者の都合(予算等)で建てられていたり、完成していれば一番肝心な構造内部を、そう簡単には見ることができません。住宅展示場もそうです!見込み客集客のために、一般家庭よりは豪華な設備・展示物で、好奇心・物欲を刺激して、その気にさせるトリック劇場な訳ですから、勉強する程度に留めておきましょう!
これらは私の一意見ですが、ご自身及びご家族のライフスタイルと堅実な将来設計を組み、賃貸生活をベースに資金力が万全になって経済が好転するタイミングであれば、踏み切られても遅くはありません!!